神社のお参りは 【三礼三拍手一礼】が正解

現在の、一般的な参拝作法は「二礼二拍手一礼」ですが、かつては「三礼三拍手一礼」が基本でした。

では、なぜその違いが生じたのでしょうか？

「参拝」という言葉は、

「天御中主神（あめのみなかぬしのかみ）」、

「高皇産霊神（たかみむすびのかみ）」、

「神皇産霊神（かみむすひのかみ）」

という三柱の神々を拝むことに由来しています。

これらの神々は『古事記』に登場する最も古い神であり、三柱を敬う行為が「三（参）拝」という形で表されていました。

三礼三拍手について

日本文化には「三」という数に特別な意味が込められています。
たとえば、

• 人間の本質：「心、体、魂」
• 時間の流れ：「過去、現在、未来」
• 存在の根源：「神、仏、我」

このように、「三」は日本人の精神性や文化に深く根付いた数字です。

三礼三拍手の由来と意味

「三礼三拍手」の作法には深い意味があり、古代の日本人が神々と対峙する際に込めた信仰心を反映しています。

この作法の背景や由来について、以下のように説明できます。

神社参拝を指す「参拝」という言葉は、「三（参）」と「拝」を組み合わせたもので、以下の三柱の神々を拝することに由来しています。

• 天御中主神（あめのみなかぬしのかみ）
• 高皇産霊神（たかみむすびのかみ）
• 神皇産霊神（かみむすひのかみ）

これらの神々は『古事記』や『日本書紀』に記された最古の神で、「原初三神」または「造化三神」とも称されます。『古事記』では「各々独り神」とされ、『日本書紀』では「各々男神」と表記されています。

これらの神々は日本の創世に深く関わり、日本文化における「三」という数字の特別な意義の源泉とされています。

三の象徴と文化的背景

日本では、「三」という数字が神聖視され、多くの文化や所作にその影響が見られます。

以下は「三柱の神々」の象徴的な名残です：

1. 参道：神社の参道は「三柱の神々に至る道筋」を意味します。
2. おむすび：三角形の形状は、「むすび」の神に由来します。
3. 三つ指：女性が三つ指をつく所作は、三柱の神々を敬う姿勢を表します。
4. 門松：正月に飾る門松は、三本の竹を束ねて神々を表現します。
5. 三角形の手：男性が手で三角を作り平伏する所作も、三柱の神々を象徴します。
6. 天冠（てんかん）：亡くなった際に天冠の布を頭に巻くのは、三柱の神々の元へ還るための祈りです。

正式な神道作法と伯家神道

「三礼三拍手一礼」は、正式な神道の作法として認識されています。

この作法は、第65代花山天皇の系譜を持つ白川家によって定められました。

白川家は「神祇伯」を世襲し、「伯家神道」または「白川神道」として皇室の神事を代々担当しました。

昭和36年に白川家が断絶したことで「伯家神道」は途絶えてしまいましたが、神道の正式な所作は、この「伯家神道」に基づいています。

「三礼三拍手一礼」は、神々とのつながりを意識し、その信仰の本質を体現する所作です。

明治維新以降で「二礼二拍手一礼」に

しかし、明治維新以降、政府は新しい神道の形を示すために参拝作法を「二礼二拍手一礼」に変更しました。

この変更には、GHQの影響もあったとされています。

一部の説では、GHQが日本人の精神性を抑え、文化や伝統を弱体化させるための施策だったとも言われています。

「二礼二拍手一礼」は閉じる動作を象徴するとされる一方、「三礼三拍手一礼」は神々とのつながりを意識する作法とされています。

二礼二拍手一礼の作法

まず、手水場で手と口を清め、身を清めたうえで拝殿へ進みます。
拝殿の前では鈴を鳴らし、以下の動作を順番に行います。

1. 二礼：深くお辞儀を2回します。
2. 二拍手：胸の前で両手を合わせ、2回柏手を打ちます。
3. 一礼：最後にもう一度深くお辞儀をします。

これが「二礼二拍手一礼」と呼ばれる、一般的な参拝作法です。

神社ごとの参拝作法

多くの神社では「二礼二拍手一礼」が採用されていますが、一部の神社では異なる作法が推奨されることがあります。

そのため、拝殿付近に掲示されている案内に従い、その神社の作法に則った参拝を心がけましょう。

たとえば、出雲大社は「二礼四拍手一礼」が正式な参拝方法として知られています。

出雲大社では、拝殿前にその作法が記載されているため、訪問の際には確認することをおすすめします。

特別な場合の作法

神式で執り行う葬儀や埋葬式の場合も、「二礼二拍手一礼」が基本となります。

ただし、この場合の柏手（拍手）は**忍手（しのびて）**と呼ばれる音を立てない方法で行うのが習わしです。

両手を合わせて軽く打ち、音が鳴らないよう注意しましょう。

神社ごとや状況に応じて異なる作法を意識することで、日本の伝統文化や敬意を深く理解することができます。

参拝の際には、その場の作法を尊重しつつ、心を込めて祈りを捧げてみてください。

初詣や神社参拝の際は、自分の心に合った方法で神様との絆を深めてみてはいかがでしょうか？