18日の米株式相場は続落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、資産購入プログラムのテーパリング(段階的な縮小)について年内に決まる可能性が示唆された。
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議事要旨によると、年内に債券購入ペースの減速を開始し得るとの見解で大半の当局者らが一致した。テーパリングの開始時期やペースについてまだ当局者らの見解が一致していないものの、米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の購入を縮小する際にその構成比率を維持することについては、大半で意見が一致した。
S&P500種株価指数は前日比1.1%安の4400.27。ダウ工業株30種平均は382.59ドル(1.1%)下げて34960.69ドル。ナスダック総合指数は0.9%下落。
米国債相場は小幅まちまち。FOMC議事要旨ではテーパリングの開始が従来の想定より先になる可能性も示唆された。ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りはほぼ変わらずの1.26%。
コーナーストーン・ウェルスの投資アナリスト、ショーン・バンダジアン氏は議事要旨について、「米当局にテーパリング工程表を恐らく今後数カ月に早める準備があることを反映している」と指摘。「金利に極めて敏感な市場全般で、ボラティリティーが見られるようになると考える理由はなおある」と述べた。
外国為替市場では、FOMC議事要旨の公表後にドルが上げ幅を縮小した。議事要旨では、インフレの目標は達成した一方、雇用の面ではなお進展が必要との判断が示された。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対円で0.2%高の1ドル=109円77銭。ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.1711ドル。
ニューヨーク原油先物相場は5営業日続落し、5月以来の安値となった。新型コロナウイルスのデルタ変異株が脅威となる中、米エネルギー情報局(EIA)の週間統計でガソリン在庫がここ1カ月余りで初めて増加し、燃料需要が脅かされていることが示唆された。
プライス・フューチャーズ・グループのシニア市場アナリスト、フィル・フリン氏は米金融当局が年内に資産購入の縮小を開始すれば、ドル上昇につながり、ドル建て商品の投資妙味が低下すると述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、前日比1.13ドル(1.7%)安の1バレル=65.46ドルで終了。取引終了後の時間外では、5月以降で初めて一時65ドルを割り込む場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント10月限は、80セント安の68.23ドル。
ニューヨーク金先物は小幅続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比0.2%安の1オンス=1784.40ドルで終了した。
ブルームバーグ