今回は、崩壊の道へと突き進む中国から脱出する人たちについて取り上げます。
ウイルスの発生と隠ぺい、イギリスとの約束を破った香港問題、チベット問題に、ウイグル問題、南シナ海問題、尖閣諸島問題、台湾問題、インドとの衝突・・・
次から次へと問題行動を繰り返し世界中に本性をさらすことになりました。
その結果、アメリカを怒らせ、イギリス、オーストラリア、インド、EUも中国排除へ動き始めました。
そして、企業の中国撤退が止まらない状況で、「今逃げなければ間に合わなくなる」との声が上がり、動きが出てきました。
カタールの放送局アルジャジーラは8月23、24日に独占調査レポートを発表し、中国高官を含む海外移住した富裕層のリストを公開しました。
その多くは中国共産党の最高意思決定機構、全国人民代表大会と、政府の諮問機関である全国人民政治協商会議のメンバーであることを明らかにしました。
アルジャジーラが独自入手したキプロス政府の「『キプロス文書』(The Cyprus Papers)」によると、キプロスは2017~19年にかけて、70カ国以上に1400の「ゴールデンパスポート」を承認、うち500以上が中国人だとのこと。
「ゴールデンパスポート」とは、取得すれば、EU26カ国を自由に渡航したり、就労したりすることができるというもので、欧州連合(EU)加盟国のキプロスでは、2013年不動産の購入など、215万ユーロ(約2億7000万円)を投資すれば、「ゴールデンパスポート」を申請できるという「キプロス投資プログラム」を開始しています。
キプロスの国籍取得をした中国人のリストには、アジア1の女性富豪や、複数の省や市の高官の名前が連なっています。
国営企業華潤電力の最高経営責任者、電気自動車メーカーの会長、製薬会社の最高情報責任者、投資銀行のトップなどの富豪が中国から出ていこうとしています。
中国の法律では、二重国籍は認められておらず、中国国営企業の要職に就いている人は外国パスポートの所持を認められず、全人代などのメンバーは、外国籍を持つと代表の資格が取り消されるということです。
しかし、いつでも中国から脱出できるように、約6割の富裕層の人たちがパスポートを所持しているようです。
8月26日放送の米ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、中国人富豪の張さんは、「海外移住、または外国のパスポートを取得した高官は数百人どころではない」
「この危機は、血迷っている当局の指導者の衝動によってもたらされた。
これによって多くの人々は、数十年蓄積してきた財産と努力の成果を失うだろう。
皆は、家族の健康と子どもの将来を犠牲にして、中国共産党の指導者の狂気に付き合うことができないからだ」と語りました。
中国黒龍江省の民間企業の元上級幹部は、「中国の富豪にせよ、当局の高官にせよ、中国にいれば希望を見出せないと同時に、大きなリスクが伴うからだ」と語り、中国国民の海外移住・亡命は大きな流れとなっていると指摘しました。
また、中国当局に「低端人口(低収入や低学歴などの低ランクの人々)」と軽蔑された一般の市民も、手を尽くして中国からの脱出を図っているようです。
今の中国では、金持ちの人も貧乏の人も、皆が中国共産党政権に『遅かれ早かれ搾取される』と危機感を持っていて、金持ちの人たちは、『ファイブ・アイズ』の各国に行き、中間層の人は欧州の各国に移住しています。
このような動きに対し、中国当局は、国民の海外移民ラッシュを取り締まるため、公務員や国有企業の幹部らに対して、パスポートを勤務先に上納するよう要求。
昨年10月以降、一部の地方政府は、公立学校の教師および定年退職者のパスポートを没収したようです。
当局はパスポート没収の対象をさらに拡大していて、北京市当局は、管轄下の各村の党委員会や居民委員会の幹部のパスポートを取り上げています。
パスポートを申請中の幹部に対して、審査基準をさらに厳しくするということです。
このままの流れで行くと、鎖国状態となり、財産の没収、ウイグル人のように強制収容所で徹底管理されるのではないかという恐怖心におびえる人たちが増えているようです。
中国は人の流出だけでなく、過去12カ月で約500億ドル(約5兆3395億円)の暗号化通貨の資産が中国から海外に流出しています。
じわじわと崩壊への道をたどっているようです。