今回は、どんどんエスカレートしている中国の臓器狩りについて掘り下げます。
このテーマは以前にも取り上げましたが、その時よりも更に多くの命が奪われていると思われます。
スペインのマドリードを拠点とする人権団体「セーフガード保護官(Safeguard Defenders)」は、8月30日、人権についての最新報告を発表しました。
それによると、2020年、中国の共産主義政権によって、少なくとも1日に20人が、国家の力によって失踪させられているとのこと。
失踪者たちは、裁判所の命令なしに中国当局によって連行され、秘密の場所に放り込まれ、最長で6カ月以上隔離、拘禁されています。
拘束施設では弁護士や家族との面会も拒絶され、失踪者たちは拷問を受ける事が多いようです。
対象者は中国人以外の外国人も含まれますので、日本人が拘束されたケースもあります。
これだけでも滅茶苦茶な事をやっているのですが、臓器売買を目的とした臓器狩りは、多くの罪のない人達を虐殺しているとされます。
2006年4月20日、中国遼寧省瀋陽市の看護師だったアニーさん(仮名)は、米ワシントンでの記者会見で「瀋陽市には地下強制収容所があり、そこでは大勢の法輪功学習者が拘束されています。
私の元夫は蘇家屯(そかとん)血栓病院の外科医で、約2000人の法輪功学習者の角膜を摘出した」と語りました。
この証言は世界中に衝撃を与えることになりました。
中国政府主導の大規模な臓器強制摘出(臓器狩り)の実態がはじめて明るみに出たのです。
この大規模な臓器狩りは、法輪功学習者への大量虐殺から始まったとされます。
1999年7月20日、江沢民が「3カ月以内に法輪功を消滅させよ」
「肉体を消滅させ、名誉を失墜させ、財力を奪え」との方針を定め、中国全土規模の弾圧政策を始めました。
そして、中国共産党による法輪功学習者への絶滅政策が始まってから1年ほど経った頃、中国で臓器移植の件数が急増することになります。
全国の肝移植件数は1999年の10倍にまで増加し、2005年にはさらに3倍に増えました。
2016年6月、米首都ワシントンで発表された報告書によると、中国の臓器移植件数は年間約6万~10万件で、2000年から2016年にかけての合計件数は150万件超とみられます。
これらの臓器の主な供給源は法輪功学習者だとのこと。
そして現在は、中東などのイスラム教圏でビジネスを拡大していて、イスラム教徒の多いウイグル人などの「ハラール臓器」を大量に売りさばいてるようです。
アラブ人が新疆イスラム教徒の「ハラール臓器」を大量に購入している事が明らかになっていて、ウイグル人を収容する中国の沿岸都市の刑務所付近には、いずれも臓器移植センターがあることも明らかになりました。
米CNNは1月26日、アラブ人37人が天津で肝移植したとの証言を報じた際、イギリスで実施された中国臓器狩り問題に関する民衆法廷の判決にも言及し、「宗教的マイノリティが臓器狩りの標的にされている。
法輪功学習者とウイグル人が迫害される可能性が最も高く、彼らは何の罪もない良心の囚人である」としました。
米国務省や専門家らは、百万人以上のウイグル人や他の少数民族が、思想教育の名目で、収容所に拘禁されていたと推定しています。
そして、毎日罪のない人達の命が、臓器売買目的のために奪われています。
現在進行形のホロコーストを世界は利害目的の為に放置し続けてきたのです。
長年にわたる、児童性的虐待や、修道院での人身売買が明らかになり、カトリック信者が減り続けるバチカンも、香港民主化デモに対して沈黙を貫き、中共政権による違法な臓器狩りという事実を無視するなど、中国共産党を擁護する動きが際立っています。
BBC中国語版は、2018年9月、バチカンは、中国のキリスト教信者数が今後、爆発的な成長を示す可能性が高いと分析し、カトリック教が中国の宗教市場で地位を確保するためには、中国共産党と仲良くしなければならないとしています。
また、我が国では、6月に心臓病を患った中国人技能実習生の帰国について、地元の中日新聞や東京新聞、NHK、フジテレビ「とくダネ!」などが取り上げ、「短期間で患者が心臓移植を受けられる」という宣伝のような内容で、中国側の事情や背景について全く伝えていません。
この実習生の為に用意された心臓はなんと4つ。
臓器提供者については一切触れられていません。
ニューヨークに拠点を置くNGO「中国臓器狩り研究センター」は、2019年7月15日、米ワシントンDCの全米記者クラブ(National Press Club)で開かれた記者会見で、91ページにわたる報告書を発表し、中国共産党による臓器狩りが「21世紀で最も恐ろしい人権災害の一つ」であると指摘しました。
報告書によると、中国の移植システムは、罪のない人を殺すことで維持されている。
中国共産党は、臓器提供、移植システムの影響力を拡大するために、アジア諸国や一帯一路地域と臓器共有協定を結び、国際社会を臓器狩りの罪に引きずり込んでいるということです。
2006年の衝撃の記者会見から14年。
その間、法輪功学習者やウイグル人など、無実の囚人を対象とした臓器狩りに関する目撃証言や証拠、調査報告が次々と浮かび上がっていました。
しかし、摘発されたのは氷山の一角にすぎず、人類史上未曾有の犯罪は今も続いています。
こんな国を許してはいけません!