今回は、トランプ大統領の「国連人権理事会からの脱退表明」で注目される国連について掘り下げようと思います。
トランプ大統領は大統領に就任した時から「国連は機能不全で改革の必要がある」と主張してきました。
しかし、何も変わることなく、それどころか悪くなる一方で、今年のウイルス騒動によるWHOの対応に怒りを抑えきれなくなったトランプ大統領はWHOの脱退を通告しました。
WHOは国連にある組織の一つですが、テドロス氏が「中国がウイルスの感染を防ぐのに大いに貢献した。」と発言するなど、中国寄りの発言を繰り返しています。
もはや国際的な組織としては機能していないことが明らかです。
そして、トランプ政権は、2018年6月19日に、国連人権理事会からの離脱も表明しました。
ポンペオ国務長官はその理由として、中国やロシアといった「人権侵害国」が理事国になれるような仕組みは受け入れがたいこと、イスラエルに対する恒常的な偏見があることなどを挙げました。
また、ヘイリー国連大使は、「偽善的で自己満足のための組織」、「『人権侵害国』の擁護者で、政治的偏見の汚水槽」などの激しい表現で国連人権理事会を批判しました。
トランプ政権が1年前から求めていた国連人権理事会の「大規模かつ抜本的な改革」が一向に進まない以上、「米国が残留して正当性を付与することはできない」と脱退を宣言しました。
国連人権理事会は、しっかりと調査も行わずに国連の加盟国に対して的はずれな批判を展開することで知られていて、日本は、国連人権理事会の特別報告者から「慰安婦問題にからみ、政府が歴史教科書に介入することは不当であり、教科書検定の見直しが必要だ」といった批判を受けました。
それに対して、日本政府は、報告者の主たる情報源は噂話や、伝聞情報だと抗議したのですが、全くもって受け入れられませんでした。
トランプ政権は他にも、2017年6月に地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」からの離脱を表明。
10月には反イスラエル色が強いと批判して国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)から18年末に脱退すると宣言しています。
このユネスコに関しても、2015年に中国申請の「南京大虐殺文書」が、非公開審査で「世界の記憶(記憶遺産)」への登録が決まり、日本政府が登録資料の開示と検証を求めたのに対し、中国側は応じていません。
このように裏で多額の金が動き、我が国が苦手なロビー活動によって一方的に決まっていくのです。
このユネスコでも、当時のボコバ事務局長が中国寄りと指摘されていました。
あらゆる国際組織に対して、工作活動を続けて実権を握ってきた中国に対して、ようやく世界各国が「これ以上中国の好き勝手にさせてはいけない」と動き始めましたが、国連以外の新たな組織づくりが必要となります。
そもそも、我々日本人は、子供のころに「国連は世界平和のための崇高な組織である」と学校で教わりました。
そして、今でも学校では子どもたちにそう教えています。
しかし、「本当に平和を守るための組織なのか?」と疑問が湧いてきませんか?
実は、「国際連合(国連)」という名前自体がおかしかったのです。
我が国以外では、「連合国」となっています。
日本・ドイツ・イタリア「枢軸国」と敵対していたあの「連合国」(軍)のことです。
しかし、戦後を扱う歴史の授業では「連合国」ではなく、「国際連合」となっています。
「連合国軍」とは、戦時中のアメリカ、イギリス、ソ連(ロシア)、中華民国(中華人民共和国)、フランスを中心とした同盟国軍のことです。
現在、この5ヶ国に共通するのは、当時の「戦勝国」ということであり、現在の「常任理事国」というものです。
戦後、日本が国際復帰を果たす際に、「国際連合(国連)」に加盟しました。
そして当時の外務省の役人は、「United Nations」を「国際連合」と訳しました。
なぜ国際と訳したのかは不明ですが、何らかの意図があったと思われます。
この国連の国連憲章では未だに敵国条項が残っていて、(国連憲章第53条、第77条、第107条)
その敵国とは、第二次世界大戦の敗戦国とありますから、「日本は未だに敵国である。」というのが連合国の立場です。
敵国条項とは、簡単にまとめると「第二次大戦中に連合国の敵国であった国が、戦争の結果確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こした場合、国連加盟国や地域安全保障機構は、安保理の許可がなくとも当該国に対して軍事制裁を科すことができる。」としています。
つまり、敵国条項に該当する国が起こした紛争に対して、自由に軍事制裁を課する事が容認されるのです。
旧敵国を永久に無法者と宣言したのも同様で、旧敵国との紛争については平和的に解決する義務すら負わされていないとされているのです。
従って、敵国が起こした軍事行動に対しては話し合いなどの必要はなく、有無を言わせず軍事的に叩き潰してもよいということになります。
・・・どうやら、我々が教わってきた国連とは大きく異なるようです。
これまでの動きから見ても、
1950年、中国は突如チベットに侵攻。
しかし、チベットからの救助の求めは中国・インド・イギリスが「グル」になって国連で黙殺。
またたく間にチベットは中国に併合されてしまいます。
そして、国連の傘下・ユネスコの第6代事務局長、ムボウ氏はユネスコの予算を私物化。
部下も自分の縁故で固め、パリで豪華な生活を行い使途不明金は1400万ドル、日本の拠出金はどこかに消え、米・英・シンガポールのユネスコ脱退を招きました。
また、世界中の戦争で使われている武器ですが、世界の武器輸出の80%は国連常任理事国によるものということが明らかになっています。
そもそも、一度も戦争が止められなかった無力な組織が国連です。
多額の予算を無駄遣いし、私腹を肥やす職員の増加など、国連という組織は私たちが教わってきた「崇高な組織」とは大きくかけ離れているようです。
もう限界まできている組織ですが、
7月18日のオンライン演説で、国連のグテレス事務総長は国際機関における不平等の解消を訴え、「70年以上前に頂点に立った国々が改革を拒んでいる」と批判しました。
「国連安全保障理事会の構成や投票権」を改革すべき対象として例示していて、拒否権を持つ常任理事国・5カ国を念頭に置いた異例の発言といえます。
これによって何かがすぐに変わるとは思えませんが、腐りきった組織からの脱却を果たしてほしいと願います。