円高はドル円、クロス円の下落はしばらく続きそうですが、このままトレンドは転換するのでしょうか?
明確な転換には日銀の動きがポイントとなりますが、現時点での火種である金融機関に対する不安が世界中に飛び火していくと株や為替の大暴落に繋がってきます。
今週はまだ、ECB金融政策発表、ラガルドECB総裁会見とアメリカの雇用統計の発表が控えています。
これらの動きにも注目です。
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は134.71円まで下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で利上げ停止の可能性が示唆されたこと、米地銀の経営不安報道などが重しとなった。ユーロドルは1.1091ドルまで上昇。ユーロ円は、米国株相場の下落によるリスク回避の円買い・ユーロ売りで149.07円まで下落した。
本日のアジア外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明での利上げ停止の可能性示唆や米地銀の経営不安報道などで続落が予想される。
ドル円の一目均衡表のテクニカル分析では、昨日5月3日に132.74円で雲のねじれが起きた。2日に200日移動平均線を上抜けた高値137.77円までのドル高トレンドから、ドル安トレンドへの「変化日」になった可能性がある。
FOMC声明では、米銀3行の経営破綻にも関わらず、3月のFOMCで予告された通りに、10回目の利上げが決定された。FF金利誘導目標が5.00-25%まで引き上げられ、年末まで維持されることが再表明された。すなわち、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策は、2022年3月から2023年5月までの利上げ継続路線から、高金利維持路線に転換して、インフレ抑制に取り組むことになる。
FRBがインフレ指標として注視している3月のPCE総合価格指数は、昨年6月の前年比+6.8%から前年比+4.2%まで伸び率が減速していた。4%台で伸び率が鈍化しているインフレ率を、FF金利5.00-25%で抑えながら、インフレ目標2%の達成を目指すことになる。
FOMC声明文は、3月までの文言「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれないと予想する(anticipate)」が削除され、「委員会は入手する情報を注意深く見極め、その金融政策への含意を判断する(determine)」との見解が示された。
この文言は、バーナンキ第14代FRB議長が2006年8月にFF金利誘導目標5.00-25%で、住宅市場崩壊への警戒感から利上げ停止を決定した時と同じだ。パウエル第16代FRB議長も、金融システム不安定化への警戒感から、利上げ停止に舵を切ったのかもしれない。また米2年債利回りが3.80%台で推移していることは、FEDピボット(FRBの利下げ転換)の可能性を示唆し、米10年債利回りが長短金利逆転(逆イールド)の3.30%台で推移していることは、利下げの理由がリセッション(景気後退)の可能性を示唆している。そしてリセッションの時の現職大統領は再選された例はないため、バイデン米大統領の敗北を示唆している。
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